任務は成功。 ・・・いつもと同じ。 -罪の痕- 其ノ三 火影邸。 「・・・入れ。」 いつもの様に、私が扉を開ける前に火影様が声を掛ける。 いつもの様に、失礼しますと一言。 「任務報告に参りました。」 「・・・お前の事だ、どうせ成功なんじゃろう。」 「・・・・・・」 私は無言で懐から報告書を取り出し、火影様に渡した。 一方の火影様も、無言でそれを広げる。 中にはびっしりと今回の任務についての文章が書かれている。 火影様は忙しなく目を動かしながら、一文字も残すこと無く文章を読んでいく。 私には苦痛に感じないほどの時間が過ぎた時、俯いていた火影様の顔がゆっくりと上がった。 「・・・上出来じゃ。よくやってくれたな、。」 ぽん、と私の頭に手を乗せた火影様は、にっこりと微笑んだ。 その笑顔で辺りの緊張感が取り去られた。 それに答えるように、私も笑顔を見せる。 「今回は結構簡単でしたよ。久しぶりの任務だから心配でしたけど・・・。」 「お前も心配する事があるんじゃのう。」 「ありますよ?それ位。」 「・・・カカシも心配しておったな。」 「・・・・・・っ」 カカシさんの名前を聞いた途端、私は動揺した。 「あの日」から七年も経ったのに・・・情けない、と思う。自然に苦笑の顔が出来上がった。 火影様は私の異変を察しながら、なおも続ける。 「お前が里を出てからもう七年か・・・早いもんじゃのう・・・。」 「・・・上忍になってから七年、です。」 「ほっほっほっ。・・・そうか。そうとも言うな。」 「あの・・・もう戻って良いでしょうか。明日も早いので・・・。」 出来るだけ平静を保ちながら火影から立ち去ろうとした。 でも、その腕を掴まれた。 つ・・・と額に汗が流れるのが分かった。 動かない私に、火影様が口を開いた。 「・・・やはり、里に戻る気は無いのか?」 私は顔だけ後ろに振り向き、火影様を見た。 火影の目は、心底私のことを心配している目。 ずっと気に掛けてくれていた事を知っている私には痛いほど分かっている。 でも、里には戻れない。 今戻ってしまったら、きっと・・・ 「・・・ごめんなさい。」 それだけ言って、火影様の腕から抜け出し一瞬で消えた。 ・・・後ろで火影様がため息をつくのが見えた。 「カカシさん。」 「・・・どうした?」 「何で・・・私なんかの為にここまでしてくれるの?」 「何でって・・・そりゃ、」 「仲間だからだよ」 私が泣かないのは 心に雨が降り続くから |