「人は我侭で憶病で自分勝手な生き物だ。」 どこかの忍がそう言っていた ・・・確かにそうだと、その時の私は思った。 今でも多分、そう思っている。 だけど、それが本当だったら私は、どうすればいいの? 我侭で憶病で自分勝手な私はずっと・・・あの里には戻れないの? -罪の痕- 其ノ一 「カカシ先生ぇ〜」 「・・・何?」 「そこにいるんだったらカカシ先生も手伝えってばよ!」 「俺は今忙しーの。大体一人でやんなきゃ意味ないでしょ。」 「・・・どこが忙しいんだってばよ・・・。」 またナルトは火影様に何かしたらしく、俺はこいつの草むしりを監視するハメになった。 ・・・このイチャパラは家で読みたかったのに・・・。 「あ〜あ〜!もうやぁ〜めた!!」 おいおい・・・ 「カカシ先生!一楽のラーメン食いに行くってばよ!」 ・・・俺は監視役だぞ・・・。 「おごるからさ!じーちゃんに報告する時ははちゃんとしといてくれよな!」 「お前な・・・。」 ま、丁度昼時だし・・・ナルトにおごらせるとするか。 「・・・今回だけだぞ。」 「マジ!?おっしゃあ!!」 「と・・・その前に行く所があるから、お前は先に行って食ってろ。」 「オウ!!」 ナルトと別れると、俺はある場所に向かった。 今日は「あの日」だからな・・・。 「風菊さ〜ん。」 「何?」 「また女将さんが呼んでますよ〜」 「・・・分かったわ。」 私は女将さんの部屋へ向かった。 「失礼します。」 「・・・・・・風菊」 「わざわざ私を呼ぶなんて、どんな御用件なんでしょうか?」 「・・・分かっているだろう?」 「・・・・・・・・・」 女将さんは少し間をあけて言った。 「あんた、まだ私の後を継ぐ気は無いのかい?」 「・・・ありません。」 「上に上がれば収入も増える。今よりもずっといいように扱ってもらえる。何よりうちの宿の利益にも繋がるんだ。 お前はまだ25だが此処に来てから7年も経つ。お前が女将として最適だというのに、どうしてそこまで嫌がるんだい?」 最近の女将さんは毎日のようにこの質問をしてくる。 「女将さんには悪いと思っています。・・・でも、この答えが変わる事はありません。」 だから私もいつものように答えた。 「風菊・・・」 「すみません・・・。」 そう言って女将さんの部屋を出た。 今日の仕事も終わって、私は外に出た。 宿を出れば、辺りは一気に静まり返る。 仕事から帰る時の町は、やわらかい風が吹くから好き。 特にここは町から少し離れている為、夜になれば人がまばらになる。 細い通りに入ればすごく静か。 ・・・こんな所にいれば、昔をよく思い出す。 「あ・・・・・・」 今日は・・・「あの日」だ。 私は夜道を駆け出した。 思い出してしまった。 思い出したくなかったのに・・・。 家のドアを開けるなり、自室の引き出しを勢いよく開けた。 その中の、小さな箱。 これが、私の全て。 箱を開け、小さく折りたたんである紙を取り出す。 見出しにはこう書いてある。 任務 「・・・・・・火影様・・・・・・。」 その紙を硬く握り締めた。 箱には、紙のほかに木の葉の額当て、暗部の仮面、そして一枚の写真が入っている。 写真に写っているのは、私。 もう一人写っているのは、私の最も思い出したくない人物。 私は、その人の名前を呟いた。 ほとんど無意識だったが、それにはたくさんの気持ちが入り混じっていた。 自分でも驚くくらいの、重い気持ち・・・。 「・・・・・・・・・カカシさん・・・・・・。」 |