何も言わずに去る私を許してください・・・。 ごめんなさいと謝っても、もう遅いから。 だから、せめて・・・ ・・・せめて、私に出来る精一杯の償いを・・・ -罪の痕- 序章 「はぁ・・・はぁ・・・っ・・・」 暗闇の中、必死に走る少女がいた。 その少女はまだ7、8歳程の小柄な体型をしている。 だがその走り様は、子供とは思えない程に速い。 ここは"木の葉隠れの里"。 人々が楽しく穏やかに暮らす、いたって平和な忍の里だ。 その里から、この少女は逃げようとしていた。 誰にも気づかれない様に、ひっそりと。 これが"天才"というのだろうか。 追っ手一人現れない。 おそらくまだ木の葉の誰も気づいていないのだろう。 しかし、当の人物は焦っていた。 たとえ追っ手が来なくても、早く逃げたいという気持ちが強かった。 早く。早く。 早く"あの人"のいない場所へ。 "あの人"を忘れてしまうくらい遠い所へ。 あの人はきっと許してくれるだろう。 でも、私は私が許せない。 一生許す事は無いだろう。 ・・・だって・・・あの出来事は、私にとって・・・ 暗闇の中、私は走り続けた。 限りなく訪れる恐怖に怯えながら・・・。 許すことの無い罪の意識を抱えて・・・。 |