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「お前は俺とは相容れない存在だ」















「そうか・・・よかったな。」























「ずっと、好きだった」



























「・・・愛してる」






















そんな言葉 まやかしだと呟きつつも 心の底では信じている自分がいる





















だって 裏切り者だといわれるあの人が偽りを口にする事なんて なかったから































私が 誰よりも何よりも一番 愛する人





























-罪の痕-   其ノ八



























「じゃあさ、じゃあさ、お姉さんってば、上忍なのか!?」

「・・・うん、そうよ。」







事あるごとに大袈裟に反応してくるツンツン頭の少年に苦笑しながらも、淡々と答える。

話が長くなりそうだと悟り、側にある人が座るのに丁度良い岩に腰を下ろす。

対する少年は、座る事自体が苦痛だといわんばかりに大きく手を振り翳したり、時折足踏みをしたり

話題毎に臨機応変に対応しながら、私に真っ直ぐの瞳を輝かせて話している。



私には眩しく思えて、逆光で見えない時のように手を目の上に翳すと、ようやく対等に見えた。





「・・・お姉さん、何やってんの?」

「気にしないで。」





今日は空に少し雲が掛かっていて、太陽が丁度見えなくなりどんよりとしている。

少年はその事に気付いている為首を傾げて私の行動をいぶかしんでいたが、段々とそんな疑問も

遠のいていったのか次の話題に向けての顔作りが始まっている。

活き活きとした表情に戻りすっと息を吸い込んだ。再び見開いた瞳は変わらず透き通り輝いている。







「ね、ね、俺ってば、この額当て似合う?」

「うん。つい最近までここになかったのが信じられないくらい、似合ってる。」







そう言いながら人差し指を少年の額に持っていき、とん、と木の葉のマークである渦の中心を突いた。

軽い衝撃に少年が息を呑む気配を感じた。それから私の言葉の意味を読み取ったのか、明るい表情が

さらに明るみを増し、にんまりとした笑顔を隠すように下を向いた。

恥ずかしいのか表情が戻らないのか、一向に顔が上がらない。

それでも私は、そんな少年を微笑んで見つめていた。



ようやく上がった顔は、まだ笑顔の名残が残っていた。

無理矢理戻したような引きつった頬で私を重視してきた為、少しの間瞬きせずに固まってしまった。

と、少年が紡いだ言葉は、私の返答を困らせるものだった。







「お姉さん、名前なんていうんだ?」

「・・・ぇ・・・・」







少年は、ずっと私を見つめている。私も、ずっと少年の目を離さなかった。

ゆるい風が頬を撫で、髪をなびかせる。そんな事すら鮮明に目に入ってしまうほど神経を使っている

自分に気付く。





名前を聞かれる事なんて、ここ数年全くなかった。

「風菊」は沢山聞かれてきたけど、本当の名前を誰かに伝えるなんて数年はしていない。

だから、名前を口にする事が必要以上に重要な事だと思えてしまう。



此処で言って、危険は無いか。この少年は、本当は他国のスパイではないか。

・・・そんなあり得ないことすらも、考えてしまった。











「・・・凪葉よ。」











すう、と、風の流れに沿って放った言葉は、声量がとても小さくても少年の耳にはっきりと伝わった。

耳で聞くのではなくむしろ、感じとったようなそれに少年は目を見開いた。







笹野、凪葉。・・・貴方は?」

「・・・え?」

「貴方の名前。」







少年は突然現実に戻ったように、一瞬身体が強張りビクンと揺れた。

そして、改めて自分の言われた事を理解しようと私をしげしげと見つめる。

私は何も言わず、ただ微笑んだままの表情を崩さない。

すると少年は、段々と表情を先ほどのように緩ませていき、最後にはとびきりの笑顔で私の瞳に

焦点を合わせた。









「俺は、うずまきナルト!将来火影になる男だってばよ!!」









私は目をしばたたかせて、声の主と景色を一緒にして目に捉える。

"火影"の単語をより強調させたように聞こえたその言葉は、目に見えない何かを感じさせた。

しいて言うなら、そう―――言霊。







まるでその時を予想しているように、灰黒に染まった雲から日が射してくる。

今度こそ本当に、逆光で少年の顔が見えない。

眩しくて、涙が出そうだった。
































ホントはもう少し書きたかった部分があるんですが

いかんせんスランプ状態が続いて「これはいつ更新できるかわからんぞ(滝汗」と思い

書いた所までアップしました。次はどうなってるのか・・・これを書いてる今時点では分かりません(笑

とにかく、ここに来てナルト初登場です。いや~長かった!

ヒロインに対して弟のような、まだまだ少年な部分を出せたらなと思ってます。

次回はまだナルトかな。ひょっとしたら他キャラも出るかも?
07/6/17




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