願い、躊躇い |
「駄目よこんなことしてちゃ。」 伝えなくちゃ。 「このままじゃ議長貴方を・・・」 伝えなくちゃ、アスランが死んじゃうと思ったから。 だから、アスランを説得して連れて行こうとした。 なのに・・・ 「確かに俺は、議長の言う通りの戦う人形になんかはなれない!」 ・・・どうして? 別にいいじゃない。 議長の言う通りに動いていれば殺される心配なんてないのに。 貴方だって今まで通りでいられるじゃない。 なのに・・・どうして? 「議長は自分の認めた役割を果たす者にしか用は無い。」 「だが君だってずっとそんな事をしていられる訳ないだろ!」 「そうなればいづれ君だって殺される!」 ・・・・・・え? 「だから一緒に!」 殺・・・される? ・・・私の役割が終われば、議長に殺される・・・。 議長は自分に都合のいい者にしか用が無い・・・。 「あ・・・あたしは、あたしはラクスよ!」 咄嗟に出た言葉。 「ミーア!」 「違う!!」 そう、私はラクス。 「あたしはラクス!・・・ラクスなの!・・・ラクスがいいッ!!」 今までも、これからも、ずっと。 「役割だっていいじゃない!ちゃんと・・・ちゃんとやれば! ・・・ そうやって生きたっていいじゃない!!」 だから・・・ 「だから・・・アスランも・・・ね?」 お願い・・・ 「大丈夫よ・・・。」 一緒に来て・・・。 差し出した手。 アスランは、私の手を取ろうとはしない。 ――――ザァ――――――――――――・・・――――――――・・―――― 雨の音が嫌に響く。 ・・・追っ手の声。 アスランは、最後に私に手を伸ばした。 「ミーア!」 ・・・私は、アスランの手を取ることが出来ない。 短い時間に、息が詰まりそうになる。 『この手を取ったほうがいいの?』 ・・・答えなんてもう出ている。 自分に反論をしても、体がついていかない。 足音が、遠のいていく。 ・・・これでよかったのよ。 私がついて行っても、アスランに迷惑がかかるだけ。 行った先で私の存在を認めてくれるとも限らない。 ・・・それに、ここから離れたらもうラクスではいられない。 そんなの、嫌だから。 一生議長の操り人形でもいいわ。 私は・・・ラクスがいいんだもの。 |